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漢方とEDの関係
「ED(イーディー)」と言う言葉は最近テレビのCMなどでも扱われるようになり、市民権を得つつあると思いますが、EDとはErectile Dysfunctionの頭文字をとったもので性交時の勃起障害を表す言葉です。
EDという概念は最近のものですが、そもそも漢方薬というのは古代中国の皇帝たちが不老長寿や子孫繁栄を求めて開発されたものですから、強い精力を得るための生薬はたくさんあります。
漢方の考え方
「精神的ストレスによるもの」というのは、例えば自慰行為は可能であっても女性の前にでるとEDになってしまう場合や、性欲がないなどです。最近、ビデオや雑誌の性的描写 には興奮するが実際の女性には欲情しない男性が増えているそうですが、これはストレスと言うよりは精神構造によるものが主な様で、社会現象としては興味深いですが漢方治療としましては対象外です。ストレス性によるEDには体質により柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)や桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)などを処方します。
自律神経失調症
■自律神経失調症の漢方治療
バイアグラやシアリスより効く漢方薬ってあるのか?
ED(勃起障害)で悩む男性諸氏から尋ねられることがある。私は50代半ばだから、当然仲間もその年代だ。いろいろ悩みを聞いていると思いのほかEDが多いことに驚かされる。海外通販で密かにED治療薬を購入してなんとか「しのいでいる」のが現状だ。
一説によれば、現代日本では1,000万人がEDで悩んでいるという。「悩んでいる」「EDではあるがあきらめている」「飲まないとセックスが出来ないんじゃないかといつも不安になる」いろいろな訴えだ。
EDとは専門的には「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」と定義されている。
1000万の男性が何らかのEDがあるとすれば、もはや国民病に近い。国民の約一割が西洋ED治療剤を服用しなくてはならないとしたら「異常事態宣言」を発令しなくてはいけないだろう。副作用の殆ど無い漢方薬の出番である。ED改善漢方薬は「確実に存在する」。
自律神経失調症-2-
「やる気が起きる」ためには、基本的な気血精の充足が必要だ。若くして「腎虚(じんきょ)」に陥り「腎精不足」になれば「青白くひ弱な性欲」はあるものの、「やる気」すら起こらない。気血の充足には「気は血の帥(すい)、血は気の母」といわれるように補気養血薬が必要である。人参 黄耆 冬虫夏草などは補気薬の代表であり、いまさら説明も要らないだろう。当帰 熟地黄 何首烏などは養血薬の代表である。
何故、この種のEDを自律神経の異常として取り上げるかというと、最終的にペニスの充血を起こす陰頚動脈の拡張はつまるところ神経支配であるからだ。
糖尿病と漢方
■糖尿病のEDの漢方治療 勃起不堅とは?
現代中国の医学用語に勃起不堅がある。いわゆる「半立ち」の状態で十分な勃起が得られない状態を指す。経済発展の著しい中国沿海地区、特に上海地区ではうなされたような美食、過食過飲の傾向が出現し、どのレストランも空席を見つけるのが難しいくらいである。現代日本での国民病ともいえる糖尿病が上海地区でも急速に増加している。そこで問題となっているのが「勃起不堅」である。始末に悪いのは、加えて「半立ち状態での早漏」が多くなっていることだ。極端なケースでは30秒から1分弱で射精してしまう。
糖尿病と漢方-2-
■糖尿病の病期における漢方治療の原則
糖尿病に伴うEDに対する基本的な漢方治療の原則は「滋陰壮陽(じいんそうよう)強腎固摂(きょうじんこせつ)填精養陰(てんせいよういん)気血双補(きけつそうほ)」である。内臓では肝腎心と陰血が重要なポイントとなる。一般的な精力不足に「温腎壮陽(おんじんそうよう)」が行われるのとは趣が異なる。
糖尿病が進行するにつれて陰虚証が顕著になってくる。多尿状態が長くなり、尿蛋白などが出現し、目のかすみ、手足のほてりなどが出現してくると、漢方では陰虚内熱(いんきょないねつ)といい、腎陰虚が進行してきたと考える。これに対しては、腎陰を補い、腎の固摂作用(こせつさよう)を強める方法である養陰固腎という治療原則をとる。さらに倦怠感 自汗などが合併するようになると気陰両虚と言い、気陰双補という治療原則に従う。
さらに糖尿病が進行し、手足の冷え、陽萎(EDインポテンツ)、腰痛、下肢のだるさ、浮腫みなどが出現してくると、漢方では陰陽両虚と診断される。これに対しては、腎陰を補い、腎陽を暖め、腎の固摂作用を強める方法をとる。海馬補腎丸(かいばほじんがん)や六味地黄丸、金匱腎気丸(きんきじんきがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが古来より有名な方剤である。しかし、EDに特化して治療をしようとすればこれらの市販薬だけでは不十分だ。
糖尿病EDの漢方治療
■糖尿病EDの漢方治療
「寅卯の刻に行為すべし」とは?
中国古書「素問 生気通天論、金匱真言論」には「鶏鳴の時陽気が生じ始める。」とあり、「霊枢 順気一日分為四時」には「寅卯の時刻(朝の3時から7時までの間)は陰中の陽、五行では木(もく)(肝は五行学説では木に属する)の時刻」とある。健常な男性なら生理的に勃起現象が生じる時間帯でもある。男性の勃起現象や射精を肝の機能と結びつける考えは古来より存在する。そこで「EDならば一眠りしてから寅卯の時刻に性行為に及びなさい。」と忠告する漢方医が存在する。確かに自然界の陽気が衰え始める夕刻から夜間に、その日の労働の疲れが抜けきれないままに性行為に及ぶのは賢明でないかも知れない。
EDの漢方治療
■EDの漢方治療
補腎陽、補腎陰、填精のバランスを考えることが必要
中国上海や広州の大都市では離婚原因の半数近くが性生活の調和が取れていないことだと報告がある。殆どが男性側の精力不足、ED、早漏が原因という。漢方伝統のお国であるから、種々の強壮剤がある。
専門中医学者(漢方医)が注意を喚起しているのが、EDや早漏の際に「補陽薬(ほようやく)に偏り過ぎてはいけない」ということだ。補陽薬に偏りすぎると体内に熱を持つようになり、その熱と過度な性行為は陰を傷つけ、精血を消耗させ早死にの原因となると説く。腎陰 腎陽 肝血 腎精の補い方のバランスを欠いた「薬剤への依存」は却って未病(みびょう)(将来に発生する可能性の高い病気)を発生させると説く。
漢方治療にあたって
気をつけていただきたいのは、繁華街の路地裏などで怪しげなネオンとともに「すぐに効く漢方精力剤」などとして売られているものの中には安全性が未確認な成分が含まれているものもあるという事です。全く効かなかった、というだけなら笑い話で済みますが、副作用で命が危険にさらされてはどうしようもありません。上海や北京などの観光客の多いエリアではニセモノの薬や漢方と称しながら西洋薬の成分が紛れ込んでいることも少なくないので購入されるのであればしっかりした薬局や病院で買いましょう。また、漢方で用いられる精力剤に即効性を求めてはいけません。
